2011 Fiscal Year Annual Research Report
車椅子からの移乗動作の安全性確保のためのコンテンツ制作
Project/Area Number |
21700588
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Research Institution | Nagasaki Institute of Applied Science |
Principal Investigator |
崔 智英 長崎総合科学大学, 情報学部, 准教授 (30437769)
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Keywords | 移乗動作 / CG / 介護 |
Research Abstract |
平成23年度は研究の最終年度となるため、これまでの準備的研究を総括し、車椅子からベッドや便器への移乗動作に関する映像コンテンツ制作を行った。具体的には、3次元動作解析システムで採取した車椅子を使用している被介助者が日常生活で行う車椅子からベッドおよび便器、または、ベッドおよび便器から車椅子に乗り移るといった移乗動作を、コンピュータグラフィックスを用いて仮想人体によるアニメーション化を行った。 アニメーションは、(1)ベッドの座面の高さを3段階に分けて設定し、ベッドの高さと車椅子の座面の高さの違いによる身体動作の運動範囲の変化と一連の身体動作の手順の測定データと、(2)ベッドと車椅子の異なる位置・角度の違いによる移動距離を設定し、そこから得られた時系列に行う身体動作の運動範囲の変化と手順の測定データに基づいて制作した。 また、ベッドから車椅子、車椅子からベッドへの移乗動作に加え、車椅子から便器への移乗動作についても研究を行った。車椅子から便器への移乗動作の研究では、車椅子と便器高低差、(2)車椅子と便器との位置関係の差異に加え、制限されたトイレの空間(狭矮な空間)における移乗手順をアニメーション化した。 本研究では、車椅子からベッド、車椅子から便器への移乗動作をアニメーション化することで、介助者・非介助者の適切な身体動作や動作範囲を提案した。これら移乗動作は、介護者にとっても被介護者にとっても身体的な負荷や危険が伴うものである。人間工学的研究をもとに再現された移乗動作のアニメーション化は、移乗動作の理解より容易にすると考えられ、移乗動作に関わる人々のQOLに資すると考えられる。
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