2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21700626
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
加藤 貴昭 慶應義塾大学, 環境情報学部, 専任講師 (30365481)
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Keywords | スポーツ / 熟達化 / 知覚スキル / 野球 / 打撃 |
Research Abstract |
本年度(平成22年度)の研究目的は、主に野球競技者の知覚スキルについて実験的検討を行うことにより、熟練したスキルを支えるメカニズムを検証することであった。主な実績は以下の通りである。 「課題:打撃動作における知覚一行為カップリング(フィールド実験)」 前年度の課題である「遮蔽技術を用いた視覚刺激に対する打者の知覚スキル(シミュレーション実験)」から得られた実際の野球の打撃状況に極めて近い実験設備に関する知見を基に、生態学的妥当性の高いシミュレーション環境の構築に向けた検討を行った。具体的には(1)視覚映像刺激の投影スクリーンおよびピッチングマシンを用いたヴァーチャル投手による打撃実験環境、(2)液晶レンズを用いた視覚情報遮断ゴーグルを用いた時間遮蔽技術による打撃実験環境の構築である。 ヴァーチャル投手による打撃は、近年ではバッティングセンターなどにおいて頻繁に導入されているシステムに近いものではあるが、本研究での目的においては精度の高いボール発射装置が必要であり、従来のドラム方式やアーム方式によるボール発射装置では実験的検証を行うことが難しいが、最近新しく開発された空気圧縮によるボール発射装置を備えたピッチングマシンを採用することにより、本研究での目的に適した実験環境を整えることができた。また、打者の「速度感」が現実的だと考えられるシャッタースピード、フレームレート設定により撮影された高解像度ハイビジョンでの投手映像を、耐久性があり反射性もある頒布型のスクリーンに投影することにより、実打撃状況下での生態学的妥当性の高い実験環境を構築することができた。液晶レンズを用いた視覚情報遮断ゴーグルを用いた時間遮蔽まで連動できるシステムを構築することはできなかったが、手動によるスイッチ制御にて実打撃時の打者の行為変化について希少な実験データを得ることができた。
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