2010 Fiscal Year Annual Research Report
関節および筋腱への負荷からみたプライオメトリック・エクササイズの運動強度
Project/Area Number |
21700632
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
杉崎 範英 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 助教 (10508287)
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Keywords | 筋力トレーニング |
Research Abstract |
本研究では、反動動作を利用したトレーニング・エクササイズ(プライオメトリック[PM]・エクササイズ)における下肢関節および筋に対する負荷強度を明らかにすることを目的とした。低~高強度に分類される7種類のPMエクササイズ、および体重の1.5倍の重量を用いたバックスクワットを行い、下肢3関節の機械的出力(関節トルク、関節パワー)を検討したところ、各エクササイズ種目の負荷強度は、従来から提唱されてきた強度区分とは異なるものであることが明らかとなった。また、負荷の大きさは関節ごとに異なり、特に股関節と足関節において種目間の差が大きいことが明らかとなった。さらに、PMエクササイズ導入のための基準として用いられている体重の1.5倍重量でのスクワットにおける下肢関節の機械的出力は、いずれのPMエクササイズよりも小さいことが明らかとなった。一方、MRIによるT2値変化の観察から、バックスクワットとPMエクササイズ(スクワットジャンプ)の臀部および大腿部の筋活動における部位差について検討を試みたところ、スクワット動作であっても、筋肥大目的で行うバックスクワットと発揮パワー増加の目的で行われるPMエクササイズとしてのスクワットジャンプでは筋の動員部位が異なる可能性があることが示唆された。 本研究の結果より、トレーニング指導者がPMエクササイズを処方する際には、各関節にかかる負荷やPMエクササイズで特に動員される筋を考慮することが重要であること、およびPMエクササイズ導入に当たっては、従来の基準よりも大きな筋力を獲得していることを条件とすべきであることが示された。
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