2009 Fiscal Year Annual Research Report
プロスポーツが地域社会に与える影響についての時系列的研究
Project/Area Number |
21700635
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
松岡 宏高 Waseda University, スポーツ科学学術院, 准教授 (10367914)
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Keywords | プロスポーツ / 地域 |
Research Abstract |
本研究は、地域に新しいプロスポーツ組織(クラブやチーム)が現れることによって、その地域社会に起こるさまざまな変化について、その事前から事後にかけて時系列の調査分析を行い、プロスポーツが地域社会に与える影響を明らかにすることを目的に、3年間に亘って取り組むものである。具体的には、(1)地域の成人、子どものスポーツ実施状況、(2)地域住民の「みるスポーツ」への興味・関心、(3)地域住民の地域アイデンティティ、そして(4)地元企業のスポンサ・メリットなどについて、その変化を測定し、分析する。 本プロジェクトの1年目にあたる今年度は、新規参入プロバスケットボールチーム(bjリーグの京都ハンナリーズ)のホームゲームにおける観戦者を対象に質問紙調査を実施した。773部を試合会場で配布し、郵送で返送された有効回答票は307部(39.7%)であった。対象者の属性は、男性が45.4%、女性が54.6%、平均年齢が39.1歳であった。 チーム艇生による地域への影響について、複数の項目で5段階尺度(「1:全くそう思わない」-「5:非常にそう思う」)を用いて測定したところ、「チームの誕生が地域の活性化に役立っている(M=3.93)」、「子どものバスケをすることへの関心が高まる(M=4.17)」 、「子どものバスケを見ることへの関心が高まる(M=4.17)」、「大人のバスケを見ることへの関心が高まる(M=4.04)」、「地域貢献によるスポンサーのイメージアップのメリット(M=4.17)」など、各項目において調査対象者はその影響を高く評価していることが明らかとなった。 また、これらの項目とチームへの愛着度、およびホームタウンへの愛着度の間には、統計的に有意な相関が確認され、チームおよび地元地域への愛着が強い観戦者ほど、チームの地域に対するポジティブなさまざまな影響を高く評価していることが示唆された。
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