2010 Fiscal Year Annual Research Report
在日外国人児童に対する安全教育の実態と児童の安全意識の構造解析
Project/Area Number |
21700678
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Research Institution | Hamamatsu University |
Principal Investigator |
木宮 敬信 浜松大学, ビジネスデザイン学部, 准教授 (20288400)
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Keywords | 在日外国人児童 / 安全教育 / 安全意識 / 多文化共生 |
Research Abstract |
平成21年度に実施した,在日ブラジル人学校および外国人児童を多く受け入れている日本の公立小学校を対象とした調査結果を踏まえ,平成22年度は,各学校へのヒヤリングおよび外国人児童の保護者を対象とした調査を実施した. 平成21年度の調査結果から,外国人児童の安全意識の特徴が指摘されている.平成22年度の調査では,彼らの安全意識がどのような背景で形成されているのかを明らかとしたうえで,在日外国人児童に求められる安全教育プログラムの在り方について提言することを目的としている. 調査の結果,在日外国人児童および家庭は,日本人と比較して,高い安全意識を有していることが明らかとなった.しかし,日本で生活する上で必要かと思われる安全に関する知識が不足していたり,防犯ブザーの所持といったような教育施策が取られていなかったりすることから,危険へ遭遇する可能性も高くあることが推測された.つまり,安全意識の高さが安全確保につながっていないことが大きな問題であると指摘された. 安全確保のためには,地域との関わりが非常に重要である.地域と連携した防犯活動は,直接的な効果に加えて,防犯活動そのものがコミュニティの力を生みだす要因ともなり,その結果として犯罪を生みにくい社会づくりに貢献することができる.しかし,在日外国人学校は地域との連携が薄く,地域連携型の安全教育プログラムは導入されていないところがほとんどである.在日外国人に対する地域の理解を高めることが,間接的に犯罪抑止となることは指摘されており,こうしたプログラムの導入は非常に意義深いと考えられる.
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Research Products
(2 results)