2009 Fiscal Year Annual Research Report
虚弱高齢者のクオリティ・オブ・ライフに及ぼす教室型・通信型運動プログラムの有効性
Project/Area Number |
21700690
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
重松 良佑 Mie University, 教育学部, 准教授 (60323284)
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Keywords | 高齢者 / 特定高齢者 / 介護予防 / 運動 / 体力 / クオリティ・オブ・ライフ |
Research Abstract |
本研究では虚弱高齢者向けの教室型運動プログラムを作成するとともに、教室に参加できない者に向けた「通信型」プログラムも作成し、より多くの虚弱高齢者の運動実践を促すシステムを構築することを目的とした。さらに、それらのプログラムが体力やメンタルヘルス、ソーシャルサポートといったクオリティ・オブ・ライフ(QOL)にどのような効果をもたらすかについても検証することとした。 本年度では、前年度までの実績を踏まえて特定高齢者向けの運動プログラムを作成した。次に、特定高齢者39名を教室群(月2回群と月4回群)に配置し、同プログラムを3ヶ月間提供した。その結果、両群とも体力とQOLに効果を得たことを確認できた。つまり、介入頻度を低くしても、本研究のプログラムによって一定の効果を得られることが示唆された。本研究では、体力としてタンデムバランス保持時間(最高30秒間)と5回イス立ち上がり所要時間、長座位体前屈距離の3項目を測定した。QOLではSF-36を用いた。 次に、通信群を設定して同じプログラムを提供した。そして、一定の効果が得られることを確認した。研究協力者と協議し、また、関連学会で発表・討議したことにより、介入終了後の継続支援の必要性が浮き彫りになった。 このような検討は(1)虚弱高齢者を対象としたプログラムを開発できる、(2)教室に参加しない虚弱高齢者の「掘り起こし」が可能になる、(3)全人的な評価視点からプログラムの良否を判断できる、等から今日の高齢社会において意義深いと思われる。
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