2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21700704
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Research Institution | Japan Women's College of Physical Education |
Principal Investigator |
佐藤 耕平 日本女子体育大学, 講師 (00409278)
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Keywords | 脳血流 / 加齢 / 血圧 / 体力 / 持久力 |
Research Abstract |
本研究課題の目的は、「加齢に伴う脳血流量および脳血流配分比の経年的変化を明らかにすること」である。22年度は、65歳以上、90歳未満の高齢者約100名を対象に、脳血流の測定、文科省指定の体力テストを実施した。また、これまでに得られたデータの分析を行い、学会発表(日本体力医学会)を行った。また、本年度は本研究課題の基礎をなす、運動と脳血流の調節メカニズムに関する論文を数本国際詩に掲載できたことも、大きな成果であると考えている。 これまでブラックボックスであった加齢に伴う「脳血流量」の経年的な変化を明らかにすることは健康科学や老年学での基礎的データ・基準値の策定という意味で非常に意義のあることである。本研究の結果、高齢者においては、加齢に伴い総頸動脈血流量が低下していくことが明らかになった。また、この脳血流の低下には、持久力や筋力などの体力レベルは関係性が低いことを現在までの分析で明らかになっている。また、この高齢者を高血圧群と正常群に分けた場合、高血圧群において脳血流量が低いことを明らかにしている。これらの結果は、加齢に伴う脳血流の低下は恐らく一般的な現象であり、体力の維持による抑制は難しいこと、また、高血圧は老化に伴う脳血流の低下を促進することを示唆する。 今後の研究課題は、中年および若年者の被験者を対象に脳血流および体力の測定を行い、加齢に伴う脳血流の経年的変化を幅広い年代を通して明らかにしていく予定である。
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