2011 Fiscal Year Annual Research Report
動脈硬化のリスクファクターに及ぼすリグノフェノールの生理作用の解明
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21700740
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Research Institution | Aomori University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
乗鞍 敏夫 青森県立保健大学, 健康科学部・栄養学科, 助教 (40468111)
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Keywords | アディポサイトカイン / 脂肪細胞 / リグニン / 脂質異常症 |
Research Abstract |
過剰栄養と運動不足は、動脈硬化のリスクファクターであるアディポサイトカインの分泌異常、脂質異常症、糖尿病、高血圧を招き、動脈硬化を進行させることが知られている。 リグニンは、セルロースに次いで植物体に最も多く存在する有機物であるが、これまで植物体から抽出することが困難であったために、ほとんど利用されていない。ところが、近年開発された「相分離システム」によって、リグニンは植物性ポリフェノールであるリグノフェノール(以下LP)として抽出できるようになった。 本研究は、産業廃棄物から得たLPの新たな生理作用の解明を目差し、脂質異常症とアディポサイトカインの分泌異常に重点を置いて、「LPは、動脈硬化のリスクファクターを改善するのか」を明らかとすることを目的とした実験を行い、本年度はアディポサイトカインの分泌に関する以下の研究成果を得た。 1脂肪細胞(3T3-L1細胞)にLPを添加によって、悪玉アディポサイトカイン(9種類)のmRNA発言量を著しく減少させるを明らかとした。 ⇒タンパク質発現量に及ぼす影響の解明を現在行っている。 2脂肪細胞にLPを添加すると、細胞内の中性脂肪量が減少することを明らかとした。 3上記の生理作用を示す添加濃度において、LPは脂肪細胞の細胞生存率に有意な変化が認められなかった。 これらの結果より、LPはアディポサイトカインの分泌異常を抑制することで、脂質異常症、糖尿病、高血圧を複合的に予防する生理作用を有する候補物質であることを明らかとすることができた。、
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