2010 Fiscal Year Annual Research Report
青年期の食生活・栄養状態を反映するバイオマーカーの探索と栄養教育プログラムの開発
Project/Area Number |
21700762
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
井上 広子 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 助教 (60438190)
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Keywords | 食生活 / 栄養状態 / 栄養教育 / 栄養学 / 食行動変容 |
Research Abstract |
本研究では、大学生に対する行動科学理論に基づいた栄養教育の実施とその評価や食生活状態を裏付ける科学的マーカーの探索として、グレリン・レプチン等の新規摂食関連ホルモンなどとの関連性を分析し、青年期の食生活・栄養状態を反映するバイオマーカーとしての有効性の確立と、青年期に対する効果的な栄養教育プログラムの確立・構築を最終目的とするプロジェクトである。 平成22年度は、対象者を追加募集し、研究同意を得られた対象者の食生活や健康状態等の詳細な把握をするため、平成21年度に実施したアセスメントと同様の項目について詳細に分析を行った。その結果、本研究対象者の特性として、BMIは正常であるが体脂肪率が高値(25%以上)を示す正常体重肥満者(隠れ肥満)が女性において4割程度存在することが明らかとなった。またこれらの該当者の血液生化学検査値等は、糖・脂質代謝関連マーカーにおいて高値を示しており、将来の生活習慣病予備軍となる可能性が否定できないことを考察した。 また、食行動の観点より、Garnerらにより作成された摂食態度検査(Eating Attitude Test : EAT-26)を用いて、点数別に分類し、Stunkardらのボディイメージシルエットを用いて、自身の体型と理想とする体型や栄養素等摂取状況との関連について分析を行った。その結果、実際の食生活と体型願望との差に不一致が生じており、青年期女性に対する適切な栄養教育の実施が必要であることが明らかになった。これらの結果については、国内学術誌に投稿し、受理された(教育医学,vol.56,153-159,2010)。さらに対象者の食習慣の基礎的データを得る一環として、苦味受容体遺伝子あるTAS2R38遺伝子に着目し、TAS2R38遺伝子多型と体型や食事調査による栄養素等摂取量との関連について検討を行った。これらの結果については、現在詳細に統計解析中であり、今後成果を学術誌に投稿予定である。
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Research Products
(4 results)