2011 Fiscal Year Annual Research Report
青年期の食生活・栄養状態を反映するバイオマーカーの探索と栄養教育プログラムの開発
Project/Area Number |
21700762
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
井上 広子 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 助教 (60438190)
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Keywords | 食生活 / 栄養状態 / 栄養教育 / 栄養学 / 食行動変容 |
Research Abstract |
本研究では、大学生に対する行動科学理論に基づいた栄養教育の実施とその評価や食生活状態を裏付ける科学的マーカーの探索として、グレリン・レプチン等の新規摂食関連ホルモンなどとの関連性を分析し、青年期の食生活・栄養状態を反映するバイオマーカーとしての有効性の確立と、青年期に対する効果的な栄養教育プログラムの確立・構築を最終目的とするプロジェクトである。 H.23年度は、これまでのアセスメント結果を基に、栄養教育介入を実施した。研究同意が得られた青年期男女27名(男性4名、女性23名、年齢19.4±0.6歳)を対象者とした。栄養教育介入期間は6ヶ月間とし、栄養教育教材には食事バランスガイドを用いた。対象者を、2ヶ月ごとの個別面談のみを実施する対照群、個別面談時に各自で食事に対する目標を立て、食事記録によるセルフモニタリングを実施する介入群の2群に分けた。アセスメント(身体計測、血液生化学検査、尿中ミネラル排泄量、DHQL・秤量法による食物摂取状況調査、生活習慣・食生活に関するアンケート)は、介入前・介入中・介入後・介入終了3ヶ月後に実施し、介入有無別比較、各アセスメント結果の推移、介入有無別の介入前後比較の解析を行った。その結果、介入群において、介入前に比較し介入後で体脂肪率が有意に低下し、血清中T-Chol濃度も有意に低下した(p<0.05)。DHQLによる野菜摂取量が介入前に比較し、介入後で増加傾向を示し、秤量法による脂質摂取量においては有意に減少した(p<0.05)。 H.24年度は、介入後、介入終了3ヶ月後のデータの分析と、対照群と介入群の両者の食生活変化、食事内容の改善状況、生体試料(血液等)の分析を行い、栄養教育効果についての最終分析を詳細に実施する予定である。 尚、本年度は、対象者を女性だけに絞り、栄養教育前に実施したアセスメントを詳細に解析した結果、BMIが正常域であっても体脂肪率が高値の者は、特に脂質代謝関連の血液性状が高く、栄養教育の必要性が示唆された結果を論文としてまとめ、投稿した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
栄養教育の実施やアセスメントついても計画通りに順調に進めることが出来た。秤量法による食事調査の分析や血液成分の分析についても概ね、計画通りに進んでいるが、介入後の一部と介入終了3ヶ月後については、H.24年度に分析を引き続き行い、全体の栄養教育評価についても最終年度に行う。
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Strategy for Future Research Activity |
H.24年度に栄養教育介入後・介入終了3ヶ月後における対照群と介入群の両者の食生活変化、食事内容の改善状況、生体試料(血液等)の分析と、今年度中に全てのデータの解析を終え、結果をまとめる。 最終的に青年期の栄養教育プログラムにはどのようなアプローチが適切であるかをまとめ、英文誌にその結果を投稿する予定である。
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Research Products
(8 results)