2010 Fiscal Year Annual Research Report
現代的諸課題群の解決に資する「越境する教師」支援モデルの開発に関する研究
Project/Area Number |
21700799
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
酒井 俊典 山形大学, エンロールメント・マネジメント部, 助教 (80507632)
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Keywords | 現代的課題 / 越境 / 教師 / 調査 / 支援モデル開発 |
Research Abstract |
申請者は、教師が異なる分野の専門家と相互作用し、メディア・リテラシーについて専門性発達を支援するオンライン学習環境を開発・実施・評価してきた。その結果、既存の教師像とは異なる、「越境する教師」像とその支援モデルの開発の必要性についての示唆を得た。グローバル化や社会の変動状況に応じた高度な専門的知識と技量を備えた教師への要請は、近年検討されてきている。そこでは、強力な教師の専門家団体を目指すだけではない、より広範はステークホルダーとの開かれた関係構築が可能な専門家集団としての教師像が議論されている。しかし、これらの議論は、まだ、理論的なレベルでの議論と、実践レベルでの議論が錯綜している状況であり、これらをどのように実現していくかという具体的な議論や提案は始まったばかりである。 本研究では、「越境する教師」という新たな教師の専門性像とその教師支援モデルの開発を試みるための調査と理論的検討を行った。学校を越えて教師の参加する研究会の主催者や参加者に対して、インタビュー調査を行った。その結果では、教師自身が、個人的にテーマを持って参加しているケースや高等教育機関やNPO等が仲介に入り、場を提供するケースだけでなく、学校が積極的に地域の人々や異なる専門分野の人々を巻き込んでいく仕組みについての幾つかの形態と生成過程がみられた。これまで、学校の外部と内部の教師の学習機会は、区別されて議論されがちであり、学校外との関わりを持つ教師はある種、特別な存在としてみなされ個人的特性に資するものと説明されがちであったが、学校現場でも、外部アクターとの関わりを視野に納める目的や手段、その傾向の多様性が明らかになった。現代的課題に対応可能な「越境する教師」の専門性発達の支援モデルの開発の為、申請者が行ってきた実践研究の知見との再検討と理論的検討を行った。
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Research Products
(1 results)