2010 Fiscal Year Annual Research Report
身体活動を通じた総合的課題解決能力の育成を目的とする教養教育の指針づくり
Project/Area Number |
21700822
|
Research Institution | Chiba Institute of Technology |
Principal Investigator |
林 容市 千葉工業大学, 工学部, 助教 (40400668)
|
Keywords | インストラクショナルデザイン / 自己効力感 / コミュニケーション行動 / 教養教育 |
Research Abstract |
社会的コミュニケーション能力や実践力,適応力,課題解決能力の育成を目指したスポーツ・体育関連授業の教授法開発について,平成22年度も継続して検討を実施した.研究初年度に「デザイン能力育成に主眼をおいた授業」によって効果が認められた「学習者間のディスカッションを通じて複数選択肢から活動内容を自己選択・決定させる教授方略」を授業での活動の基本とし,コミュニケーションの頻度・密度を高めることを目的に,ディスカッションを行う集団の構成人数(21年度:6-8名)をより少数(4-5名)に,活動期間(21年度:週1回・15週から集中で5日間)をより短期間に設定して検討を行った.その結果,「授業や他の受講者とのコミュニケーションに関する満足度」において,21年度よりも本年度の授業で統計的に有意な高値を示した.同様に,「授業を通じて成立した友人関係維持への自信」なども,本年度の履修者の値が21年度の授業履修者よりも有意に高値を示した.しかしながら,授業を通じて得られた効果の一般社会における般化の可能性を示す「将来,初めて会う人とうまくコミュニケーションがはかれることへの自信(自己効力感)」については,21年度と本年度の授業履修者間で有意な差異は認められなかった。 本研究課題の遂行を通じ,将来の実社会におけるコミュニケーション能力の育成を目的に大学でスポーツ・体育関連授業を行う場合,全く自由に活動内容を決定させるのではなく,複数の例を選択肢として提供した上でディスカッションによって活動内容を選択・決定させる方略を用いた授業の有用性が示唆された.また,授業期間が短くとも活動に際して少人数グループを採用することで,他者とのコミュニケーション活動に対する満足度は向上し,授業によって成立した友人関係を維持する自信なども増加することが明らかになった.
|