2009 Fiscal Year Annual Research Report
幹細胞コミュニケーション解析マイクロ流体デバイスの開発
Project/Area Number |
21710131
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
佐々木 直樹 独立行政法人理化学研究所, 前田バイオ工学研究所, 基礎科学特別研究員 (30462691)
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Keywords | マイクロ・ナノデバイス / シグナル伝達 / ナノバイオ / 再生医学 |
Research Abstract |
生体内では幹細胞が同種或いは異種の細胞と、種々の因子を種々の機構で伝達して機能を制御していると考えられている。本研究では、幹細胞が同種・異種細胞間でおこなうコミュニケーションを解析するためのマイクロ流体デバイスの開発を目指した。マイクロ流路の形状と溶液流れを利用することで、細胞密度やシグナル伝達様式・方向性を制御した、マクロ系では実現できない新たな実験系の構築を目指した。本年度はまず、マイクロ流路内で細胞間距離を精密に制御して配置可能なマイクロ流体デバイスを設計・作製した。デバイスには細胞や培地の導入・排出用流路、細胞チャンバ、さらにチャンバ間をつなぐ、細胞が通過できない大きさのスリットを作製した。基材には細胞実験に適したポリジメチルシロキサン(PDMS)を用い、ソフトリソグラフィーにより作製した。デバイスを予め脱気した後に排出口に陰圧を印加することで、PDMS流路に気泡を残さず溶液・細胞を導入した。細胞チャンバ内には、溶液流れを利用して単一細胞を捕捉可能なU字型の構造体を作製した。実験的検討を重ねて流路や構造体のデザインを最適化し、ES細胞や3T3細胞を、流路への導入後細胞変形等なく確実に捕捉できる条件を見出した。捕捉された細胞は、流れの方向を切り替えることでスリットの両端に配置され、細胞間の距離を規定して配置できた。また3T3細胞を用いて流路内での細胞培養条件を検討し、培地潅流下で細胞が流路壁面に接着・伸展する様子が観察された。
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