2010 Fiscal Year Annual Research Report
幹細胞コミュニケーション解析マイクロ流体デバイスの開発
Project/Area Number |
21710131
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Research Institution | Japan Women's University |
Principal Investigator |
佐々木 直樹 日本女子大学, 理学部, 助教 (30462691)
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Keywords | マイクロ・ナノデバイス / シグナル伝達 / ナノバイオ / 再生医学 |
Research Abstract |
生体内では幹細胞が同種或いは異種の細胞と、種々の因子を種々の機構で伝達して機能を制御していると考えられている。本研究では、幹細胞が同種・異種細胞間でおこなうコミュニケーションを解析するためのマイクロ流体デバイスの開発を目指した。マイクロ流路の形状と溶液流れを利用することで、細胞密度やシグナル伝達様式・方向性を制御した、マクロ系では実現できない新たな実験系の構築を目指した。 本年度はまず、マイクロ流路内細胞配置法の改良に取り組んだ。前年度は流路内で単一細胞を捕捉し、次に目的部位に配置する二段階の操作としていた。しかし、一段階目で細胞が壁面に吸着するために作業効率が低く、さらに細胞配置部の流路が狭いために細胞の変形がみられた。そこで、細胞捕捉部と配置部とを一体化した新たなデザインを考案し、実験的検討を重ねて構造を最適化した。さらに流路の閉塞を防ぐため、余剰の細胞や溶液を逃がすための流路を有するデバイスを作製した。以上の検討の結果、細胞の壁面への吸着や変形等の問題なく、異種単一細胞を距離を制御して長時間保持し続けることに成功した。スループットの向上のため、デバイスを多層構造とし流路を三次元的に配置することで、同時に32か所で細胞配置実験が試行可能なデバイスも作製した。このデバイス上でES細胞と3T3細胞を配置し、スループットが1桁以上向上することを実証した。配置後の長期培養も試みたが、時間経過と共に細胞が移動し目的位置への保持は困難だった。
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