2009 Fiscal Year Annual Research Report
定量プロテオミクスによる脱ユビキチン化酵素の網羅的基質探索
Project/Area Number |
21710200
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
太田 一寿 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 助教 (00322727)
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Keywords | 出芽酵母 / ユビキチン / 質量分析 |
Research Abstract |
脱ユビキチン化酵素はユビキチンC末が形成するペプチド結合やイソペプチド結合を加水分解することによりユビキチン化蛋白質の運命決定や細胞内遊離ユビキチン総量の維持に関与しており、ヒトにおいてはある種の癌や神経変性疾患の原因遺伝子であることが明らかになっている。各々の脱ユビキチン化酵素の機能解明は重要な課題だが、その鍵になる特異的基質同定は一般的に困難が伴う。この課題に我々はポリユビキチン化蛋白質を優先的に濃縮できる「パラレルアフィニティタグ精製(PAP)法」とその発展技術であり、サンプル間でのユビキチン化状況の僅かな違いまで相対比として把握できるSILAC-PAP-MS解析システムを用いて挑戦する。具体的には、出芽酵母のゲノム上にコードされるすべてのUSP型脱ユビキチン化酵素に関して特異的基質の同定を試みる。 21年度は脱ユビキチン化酵素の基質探索に適したSILAC-PAP-MSシステムを構築し、そのシステムを用いて、実際に、出芽酵母のすべてのUSP型脱ユビキチン化酵素(全16種)に関して特異的基質の同定を試みた。 16種類の脱ユビキチン化酵素欠損株を用いたSILAC-PAP-MS解析を行い、771種類、のべ3426個のユビキチン化蛋白質を同定し、126種類、のべ536種類のユビキチン化蛋白質の相対定量に成功した。この相対定量値をもとに27の酵素-基質ペアと67の酵素-準基質ペアを選定し、部分的に確認作業を行った。いくつかの脱ユビキチン化酵素では基質蛋白質間に生物学的な相関関係を認め、このアプローチの有効性が確認された。
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