2009 Fiscal Year Annual Research Report
記号主義言語論に基づく英語動詞構文ネットワークのデータベース化
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21720179
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
長谷部 陽一郎 Doshisha University, 言語文化教育研究センター, 准教授 (90353135)
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Keywords | 構文理論 / 認知言語学 / コーパス / 語彙・意味 / 知識ベース・知識システム |
Research Abstract |
本研究は英語の構文の中でも特に動詞の項構造を中心としたもの(動詞構文)を取り上げ、それらを1つのネットワークとして計算機上にデータベース化するごとを目的とする。初年度(平成21年度)は、研究実施計画に沿って研究を進め、以下のような成果が得られた。まず(1)構文情報の記述方法の確定を行うべく、構文という概念の定義と分類、および意味記述の範囲について検討を行った。構文文法、認知文法、主辞駆動型句構造文法といった文法理論を調査し、形式-意味の記号的関係を計算機上に実装する際の要件を決定した。また(2) 大規模な英語コーパスを、Web上のオープンソース資源から自動取得することに成功した。得られたデータは、計算機による自然言語処理と人手によるアノテーション作業を経で、最終的なデータベースを形作るための材料となる。さらに(3) 構文データ処理システムの開発を行い、その基本部分を完成させた。形式概念分析と呼ばれる計算処理を実装したこのシステムにより、所定のフォーマットに整形したデータから、潜在的な構文パターンとそのネットワーク構造を抽出することが可能になった。理論的背景および計算処理の詳細については、研究協力者である黒田航氏とともに国際学会The 23rd Pacific Asia Conference on Language, Information and Computationにおいて発表した。また、同じ手法の言語習得研究への応用可能性に関する論考を『言語文化(同志社大学言語文化学会)』第12巻において発表した。
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