2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21720279
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Research Institution | Oita National College of Technology |
Principal Investigator |
田中 美穂 Oita National College of Technology, 一般科文系, 准教授 (40435491)
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Keywords | 西洋史 / アイルランド史 / 中世史 / 政治史 |
Research Abstract |
本年度の研究実施計画に記したように、中世後期のアイルランドの政治的変容についての考察も含む英語論文:'Nation' Consciousness in Medieval Irelandを執筆し、校正した。この論文は、現時点で筆者が考える7世紀から14世紀くらいまでの中世アイルランドの政治史の変遷を、「ネイション」をキーワードに俯瞰したものである。今年度は、科研費研究採択前から抱えていた仕事に追われる側面もあった。具体的には、近刊の『イギリス文化入門』の執筆・校正と近刊の『オックスフォードブリテン諸島の歴史』第2巻の執筆・校正である。また、2010年3月13日に実施された東北学院大学オープン・リサーチ・センター公開シンポジウム「北海からアイリッシュ海へ-ヴァイキングの軌跡-」で、コメンテイターとして講演(題目「アイルランドとヴァイキング」)を行った。同題目での報告文書の執筆も終了している。この講演活動は、9世紀に始まるヴァイキング期以降のアイルランド史について、現在の研究状況を把握し、かつ「ヴァイキングの活動」を中心に考察するよい機会となった。まさに本研究課題が目指す中世後期の政治的変容についてもあつかうものとなった。 夏に実施した研究旅行では、ベルファスト大学のフラナガン教授と面会し、ベルファスト郊外にある中世の教会跡や十字架建立地をともに訪問・調査した。単独では、コナハト王ルアリー・ウア・コンポヴァルゆかりの地であるコナハト地方のコング修道院などを現地調査した。中世全般に関する史料や研究書、諸資料も書店や大学図書館、ブリティッシュ・ライブラリーなどで収集し、充実した研究旅行となった。
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