2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21730172
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
元山 斉 Hitotsubashi University, 大学院・経済学研究科, 特任講師 (20383490)
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Keywords | 標本調査法 / 経済統計学 / ミクロデータ / 計量経済学 |
Research Abstract |
平成21年度は,標本調査の枠組みでの漸近理論における問題点を整理するとともに,今回の研究対象とする統計量に対する独立標本における既存研究の証明方法を精査し拡張の可能性を探る作業を行ったほか,標本調査の枠組みにおける先行研究のサーヴェイを実施した.それと並行して,これまでの研究に引き続き,現在までに確立された漸近理論を統計的汎関数という立場で統一的に整理する作業をおこない,その研究成果の一部は『公的統計の利用と統計的手法』掲載の「標本調査法における統計的汎関数について」で紹介されている.また,現実の調査データにおける分析実践の試みとして,法人企業統計と事業所企業統計調査の個票データから県別・財務局別の景気指標を作成する試みを共同で行い『統計数理』に「法人企業統計データを利用した地域経済活動指数作成の試み」で発表した。また,家計の所得や企業の資本金額等に見られるように,多くの調査データは左右対称な分布から大きく離れた歪んだ形状をもち,そのような分布については標本平均よりもむしろ標本分位点がデータの位置を表す尺度として好ましいことは以前から知られていたことであったが,H21年度は,有限母集団における標本分位点についての漸近正規性を,簡潔に示す方法を検討しセミナーで報告して,学術誌への投稿準備を進めたほか,補助情報を用いて分位点を条件付き推計する手法の1つである分位点回帰推定量についても漸近正規性を示した.また,標本調査には,しばしば極端なはずれ値が存在することが知られているが,はずれ値が統計量に与える影響の評価についても,H21年度に,部分的な成果を得た。
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Research Products
(2 results)