2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21730172
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Research Institution | 大学共同利用機関法人情報・システム研究機構(新領域融合研究センター及びライフサイ |
Principal Investigator |
元山 斉 大学共同利用機関法人 情報・システム研究機構, 新領域融合研究センター, 融合プロジェクト特任研究員 (20383490)
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Keywords | 分位点 / 分位点回帰 / 不等確率抽出 / 標本調査 |
Research Abstract |
平成24年度は,今回の研究計画において対象とする統計量に対する独立標本における既存研究の証明方法を精査し拡張の可能性を探る作業を行ったほか,標本調査の枠組みにおける先行研究のサーヴェイを実施した.また外れ値が多い調査データで位置指標としてしばしば用いられるメディアン等の標本分位点について漸近正規性の簡明な証明方法を与え統計関連学会連合大会で報告したのち,BehaviormetrikaにNote on a simple derivation of the asymptotic normality of sample quantiles from a nite populationとして発表した.また,現実のデータの精度を直接に評価する試みとして,国が実施する公的統計の精度を評価するため,世論調査等の社会調査の国際規格であるISO20252を政府統計に適用可能であるかどうかを検討する試みを共同で行い統計関連学会において「ISO 20252の公的統計への適用可能性とその問題点」として共同報告した.時系列データを分析する手法についても体系的に検討し,その成果は「統計応用の百科事典」の担当項目としてまとめられている.また,条件付きの分位点である分位点回帰モデルの係数について,非復元無作為抽出における漸近正規性を示し複数の国内セミナーで報告を行ったほか,International Conference on Advances in Probability and Statistics-Theory and Applications:A Celebration of N.Balakrishnan's 30 years of Contributions to Statistics(The Chinese University of Hong Kong(香港中文大学),Hong Kong SAR,China)で報告を行い,投稿に向けて準備を進めた.また,非復元単純無作為抽出の枠に留まらずより一般の等確率でない標本抽出を行った際の回帰分析の推定量の性質についても昨年度に引き続き検討を行い,いくつかの興味深い成果を得ている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
理論的研究を行うと同時に現実の調査実施者から話を聞く機会に恵まれ,理論的のみならず実際上の問題点についても刺激を受け続けることができたためと考えられる.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,より一般の推定量について漸近分布を評価するほか,分位点回帰推定量の漸近正規性を示す際に用いられた手法の一般化を行い,より広範なクラスの統計量の分布評価を統一的に行う手法の確立を目指す.
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Research Products
(6 results)