2009 Fiscal Year Annual Research Report
日本企業におけるトップ・マネジメントのメンバー特性に関する静態的・動態的実証研究
Project/Area Number |
21730311
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Research Institution | Hokkai-Gakuen University |
Principal Investigator |
佐藤 大輔 Hokkai-Gakuen University, 北海学園大学・経営学部, 准教授 (80347749)
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Keywords | トップ・マネジメント / 経営者 / 組織デモグラフィ / コーポレート・ガバナンス / ダイバーシティ / 戦略的選択 / 組織における教育 / サクセッション |
Research Abstract |
本研究の目的は、組織が優れた成果をあげるために、トップ・マネジメントおよび経営者を対象とするどのようなマネジメントが有効なのかを検討し、試論的な理論構築とそれにもとづく実証調査を踏まえて、実践的インプリケーションを導出することである。 このような取り組みのために、本年度では研究の基盤となる理論的考察(先行研究のレビューおよび関連分野の幅広い理論的検討)を集中的に行い、特に試論的な理論構築に挑戦した。より具体的には、トップ・マネジメントおよび経営者を単なる意思決定主体として捉えるのではなく、より創発的な戦略的選択を行う主体として捉える前提で議論を展開する可能性を検討した。特に、リーダーシップをつうじてトップ・マネジメントや経営者がおこなうマネジメントの教育的な側面に注目し、教育という視点から改めてトップ・マネジメントの役割を理論的に考察した。その結果、従来の定量的なトップ・マネジメント研究が、横断的なデータによる静態的な分析に終始しているのに対して、より動態的なトップ・マネジメントの変化(メンバー構成の推移や、経営者のサクセッション)に注目した指標が魅力的な切り口になることが明らかになった。このような実証調査の前提にかかわる議論に基づくことで、次年度以降におこなう予定である実証調査において、新たな指標作成の検討が可能になったといえる。この意味で、本年度の取り組みは本研究全体を通じた研究・調査において、基礎的な土台を構築するという意味で非常に重要な意義を持っている。
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