2010 Fiscal Year Annual Research Report
日本企業におけるトップ・マネジメントのメンバー特性に関する静態的・動態的実証研究
Project/Area Number |
21730311
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Research Institution | Hokkai-Gakuen University |
Principal Investigator |
佐藤 大輔 北海学園大学, 経営学部, 准教授 (80347749)
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Keywords | トップ・マネジメント / 経営者 / 組織デモグラフィ / コーポレート・ガバナンス / ダイバーシティ / 戦略的選択 / 組織における教育 / サクセッション |
Research Abstract |
本年度では、2つの取り組みに特に力点をおいて研究を進めた。1つめに、昨年度の研究において行われた先行研究のレビューから追加的な検討の必要性が明らかになった、トップ・マネジメントないしマネジャーの役割に関する理論的検討である。昨年度の研究では、単にグループ・ダイナミクスの知見や分析視角をそのままトップ・マネジメントに当てはめることの限界を指摘し、トップ・マネジメントにおけるマネジャーや経営者の役割と、その他の人々の関係性に注目すべきだとした。このような前提に基づき本年度は横断的に定量的なデータを有価証券報告書等から収集し、分析を始めている。しかしながら、さらに理論的検討を進めるうちに、マネジャーの役割が企業内外の資源のマネジメントというよりは、人々の行為を扱う教育的側面を持つことの重要性が明らかになってきた。このような意味で、さらに教育的マネジメントを行うマネジャーという前提から分析モデルを再構築する必要性が出てきたため、新たな追加的データの収集・整理および変数への加工を行った。 また、2つめにはデータの収集・整理・分析を本格的に進めている。上記のような分析モデルの変更・追加をふまえて、必要な変数の作成、データの収集等を行った。特に膨大なデータを有価証券報告書等の公刊資料から収集・加工するため、コンピュータで用いるためのマクロ・プログラムを開発し、変数化を効率的に進めるための取り組みを行っている。このようなプログラムの開発と修正は、データの収集・加工と同時進行で進められている。 以上のような取り組みを通じて、昨年度の成果としては、トップ・マネジメントに関わる議論における新たな分析視角の構築が行われた他、最終的な分析に用いるための定量的なデータおよび加工された変数が一定量揃えられた。これらの準備は次年度における最終的な分析にそのまま用いられるものである。
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