2011 Fiscal Year Annual Research Report
日本企業におけるトップ・マネジメントのメンバー特性に関する静態的・動態的実証研究
Project/Area Number |
21730311
|
Research Institution | Hokkai-Gakuen University |
Principal Investigator |
佐藤 大輔 北海学園大学, 経営学部, 教授 (80347749)
|
Keywords | トップ・マネジメント / 経営者 / 語り / 行為 / アクション・リサーチ / 組織における教育 / 戦略的選択 / ダイバーシティ |
Research Abstract |
本研究の目的は、高い組織パフォーマンスを実現し、企業を成功に導くためにどのようなトップ・マネジメントが必要なのかを明らかにすることである。本年度の取り組みでは、動態的な分析をより進展させていくために、質的な調査を行い、そこから得られる質的なデータに基づく分析を進めることにした。より具体的には、経営者や管理者等のマネジャーを対象に、インタビュー調査を行い、そのような質的データを詳細に分析した。このような取り組みに伴って、新たに関連する先行研究や理論についてレビューをやり直す必要が生じたため、インタビュー等の調査と同時進行的にこのような理論研究も進めた。 実際の調査では、複数の経営者および管理者等に対してインタビューを行ったが、このような取り組みの中で、被調査者の語りが回数を重ねていく度に変容すること(表象の危機)、およびインタビューの中での語りそのものが被調査者の行為を変えていく側面が少なからず確認された。之のようなことから、被調査者となる経営者や管理者に継続的な調査を行い続けることでアクション・リサーチ型の研究どして改めてリサーチをデザインし直し、分析を進めた。 以上のような調査と分析の結果、本研究では、彼らの行為やマネジメントは、語りをつうじてトップ・マネジメント(ないしドミナント・コアリションに相当する人々)内で進む価値の共有やアイデンティティ形成の影響を少なからず受けており、このような語りを調査者が促すことで、組織としで一貫した意思決定を実現することができるだけでなく、自律的な行為を実現させることが可能であること。および、少なくとも組織デモグラフィのような形式的な属性データから静的に伺うことのできるマネジャー達の行為やマネジメントよりは、語りをつうじて変容していく彼らの行為やマネジメントを追うことの方がより説明力がありそうなこと、が発見された。
|
Research Products
(4 results)