• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2010 Fiscal Year Annual Research Report

『儒教と道教』の理解社会学的解釈によるヴェーバーの東アジア論の再構成

Research Project

Project/Area Number 21730405
Research InstitutionTokyo University of Foreign Studies

Principal Investigator

荒川 敏彦  東京外国語大学, 外国語学部, 研究員 (70534254)

Keywordsゲゼルシャフト的分化 / 理解社会学のカテゴリー / 発展 / 進化 / マックス・ヴェーバー / 宗教社会学
Research Abstract

昨年度に引き続き、ヴェーバー宗教社会学の方法論的読解に向けた基礎作業を行った。本年度は特に、デュルケム(社会分業論)やジンメル(社会分化論)など、社会学の基礎的視角でありながら、これまで見過ごされてきた「分化」の問題について注目することで、論争の絶えない「発展」の解釈問題に一定の見通しをつけることができた。
ヴェーバーは議論の中で「発展」概念を用いた考察をしばしば加えているが、一方では、それを一方向的な「発展段階論」として理解する見方があり、他方でその反動として、ヴェーバーに「発展」論の契機を一切認めない解釈が見られるのである。しかし、『儒教と道教』と同時期に構想・執筆されたと考えられる『理解社会学のカテゴリー』においては、「ゲゼルシャフト的分化」として、ゲゼルシャフト関係形成の展開が概念化されている。これまで「社会的分化」と日本語訳されてきたため、分化の問題とゲゼルシャフト関係形成の問題とが意識的に接合されることはなかったといってよい。『カテゴリー』を基礎とする『宗教社会学』は当然として、『宗教社会学』と相補的関係にあるとされた『儒教と道教』においても、このゲゼルシャフト的分化の視点は有効ではないかと考えられる。ヴェーバーは価値評価の滑り込む「進化」概念を批判して、分化としてとらえるべきだと書簡で述べているが、ゲゼルシャフト的分化の概念にはそれと通底する発想があるように思われる。
以上の発見的知見を得たことで、『宗教社会学』における分化の議論が『儒教と道教』とどのような関係にあるのかが、今後の重要な課題として新たに浮上してきた。この問題は、ヴェーバーにおける東アジアの位置づけを知る上でも重要な指標となるように思われる。

  • Research Products

    (1 results)

All 2010

All Journal Article (1 results)

  • [Journal Article] 社会的行為と宗教-マックス・ヴェーバー『理解社会学のカテゴリー』における宗教用例の分析2010

    • Author(s)
      荒川敏彦
    • Journal Title

      工学院大学 共通課程 研究論叢

      Volume: 48-1 Pages: 17-31

URL: 

Published: 2012-07-19  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi