2009 Fiscal Year Annual Research Report
水産物消費の環境問題化の動態研究-持続可能性と消費者教育をめぐるポリティクス
Project/Area Number |
21730415
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
野崎 賢也 Ehime University, 地域創成研究センター, 准教授 (00346660)
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Keywords | 社会学 / 環境問題 / 水産物 / 持続可能性 |
Research Abstract |
平成21年度は、主に欧米諸国の環境団体などへのインタビューと文献資料収集を行うのと並行して、日本国内の環境団体や認証団体、水産関係者へのインタビューを実施した。 欧米諸国の調査については、2010年1月~2月にかけてパリで開催された「シーフード・サミット」に参加し、その場でインタビューや情報交換などを行った。サミットには、欧米を中心に世界各国から民間の国際的な環境団体やNGOと、それらを資金的に支援している民間財団、認証団体MSC、水産関係者や政府関係者、ジャーナリストが参加しており、各セクターの関係者にインタビューを実施した。特に、サミットの中心的な役割を担っているWWFの関係者や、米国の環境NGO、水産物のジャーナリストなどに、欧米社会における水産物消費の環境問題化の過程について聞き取りを行った。 日本国内でも同様に、WWFジャパンやMSC日本事務所の関係者にインタビューを実施し、日本社会における水産物の持続可能性への認識の進展について聞き取りを行った。また、カツオ漁業で初めてMSC認証を取得した水産加工会社の関係者に、MSCをめぐる取引先の反応などについて聞き取りを行った。 以上の調査から、欧米社会での水産物消費の環境問題化の過程の大まかな流れを把握することができた。また日本での水産物の持続可能性をめぐる議論が活発化していない現状についても概要を把握することができた。さらに、日本の水産業界で持続可能性への取り組みが少ない現状についても確認できた。
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