2009 Fiscal Year Annual Research Report
産後うつ病および産後愛着障害の早期発見システム構築と援助方法の開発
Project/Area Number |
21730547
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
金子 一史 Nagoya University, 発達心理精神科学教育研究センター, 准教授 (80345876)
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Keywords | 産後うつ病 / 産後愛着障害 / EPDS / Postpartum Bonding Questionnaire / 産後愛着尺度 |
Research Abstract |
2009年度は,愛知県内の保健センターにて実施されている生後3ヶ月児健診における,質問紙調査のデータ解析を行った,母親の抑うつを測定する尺度として,エジンバラ産後うつ病自己評価票(Edinburg Postnatal Depression Scale ; EPDS)と,母親から子どもへの愛着を測定する尺度として,産後愛着尺度(Postpartum Bonding Questionnaire ; PBQ)への回答データを分析した.これまでに,およそ1200名のデータを採取した. 分析の結果,オリジナル版の4因子構造ではなく,1因子構造となっていることを明らかにした.また,1因子構造とした場合,項目をおおよそ10項目程度削減できることを明らかにした.これらの結果を,実施先の保健センターにフィードバックし,日本語版の短縮版PBQの作成に入ることが確認された.これらの結果については,2010年度開催予定のWorld Association for Infant Mental Health 12th World Congress, Leipzig, Germany (WAIMH)にて発表する予定である. なお,ケース処遇会議では,EPDSおよびPBQの得点とつきあわせながら,対象者への支援のあり方について,保健センターのスタッフと意見交換を行った.その結果,EPDSおよびPBQをスクリーニングの手段として用いることに,一定の効果が認められることが,再度確認された.
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