Research Abstract |
2010年度は,2009年度までに採取したデータに加えて,新たなデータ採取を行った.愛知県内の保健センターと協同して,母親の抑うつを測定する尺度として,エジンバラ産後うつ病自己評価票(Edinburg Postnatal Depression Scale ; EPDS)と,母親から子どもへの愛着を測定する尺度として,産後愛着尺度(Postpartum Bonding Questionnaire ; PBQ)への回答を,生後4ヵ月時健診に来訪した母親に求めた.その結果,これまでに1800名にわたるデータを得ることが出来た. 分析の結果,オリジナル版の4因子構造ではなく,1因子構造となっていることが,再度明らかとなった.大規模なデータを取り扱ったことにより,頑健性の高い結果を得ることが出来た.また,1因子構造とした場合,項目をおおよそ10項目程度削減できることを明らかにした.これらの結果を,実施先の保健センターにフィードバックし,日本語版の短縮版PBQの作成に入ることが確認された.これらの結果については,2010年度に開催された12th World Congress of the World Association for Infant Mental Health, Leipzig, Germany (WAIMH)にて発表した. なお,ケース処遇会議では,EPDSおよびPBQの得点とつきあわせながら,対象者への支援のあり方について,保健センターのスタッフと意見交換を行った.その結果,EPDSおよびPBQをスクリーニングの手段として用いることに,一定の効果が認められることが,再度確認された.
|