2009 Fiscal Year Annual Research Report
アメリカ教育政策と校長職労働市場に関する萌芽的研究
Project/Area Number |
21730649
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Research Institution | Fukuoka University of Education |
Principal Investigator |
大竹 晋吾 Fukuoka University of Education, 大学院・教育学研究科, 准教授 (30380661)
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Keywords | 教育学 / アメリカ / 校長 / 労働市場 / 行政学 |
Research Abstract |
平成21年度については、伝統的な内部労働市場から急速に外部労働市場の拡大を進めている北東部諸州の実態調査を行いたい。特に、資格・免許法制については外部労働市場の流入によって、校長職にどのような人材が登用されはじめているのか。その成果について、地方行政レベルのインタビューとともに学校経営実践の実態を踏まえて調査し、外部労働市場開放施策の成果を検証したい。 平成21年度については、全米の労働市場に関する情報を集約しているUniversity Council of educational Administratioを抱えるテキサス大学オースティン校に訪問した。外部労働市場と雇用政策に対して同学会は政策提言を行っており、インタビュー調査を踏まえてこれらを集約した。特に進展する大学院レベルの校長職養成と、一方で地方間格差の問題が大学を悩ませつつあることなど、アメリカの労働市場ならではの実態に直面していることがわかってきた。このことは次年度の研究活動の中で報告したい。 また、州間互換免許と州内限定免許の二つの免許制度の方向性について文献調査を中心に現在は次年度の調査対象地域を選定している。特にISLLC2009の影響も収束段階に入ってきており、全米労働市場化の進展は硬直常態にある。一方で校長職候補者不足の慢性的課題は全く解消されておらず、さらに地方自治体における教育委員会の財政破綻も深刻化してきており、校長職労働市場は地方間格差は拡大の方向性にあることが分かってきている。各州の教育行政は州間互換免許制度による労働市場の拡大と、一方で深刻化する地方間格差の課題をどのように克服していこうとしているのか、この点も次年度において実地調査をあわせて継続的に進めていきたい。
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