2009 Fiscal Year Annual Research Report
XMASS実験でのバックグラウンド低減のための検出器構造研究
Project/Area Number |
21740165
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
安部 航 東京大学, 宇宙線研究所, 助教 (30401285)
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Keywords | 暗黒物質 / 液体キセノン / 宇宙線 / 宇宙物理 / 素粒子実験 |
Research Abstract |
本研究では、昨年度から測定が開始された暗黒物質探索実験、XMASS実験におけるさらなる精度向上を目的として、シミュレーションを用いた性能評価を用い、バックグラウンドの低減を実現する検出器構造の改良方法について研究を行う。当該年度はシミュレーションによる性能評価から、最適な構造の決定を進めると共に、使用するシミュレーションについてより現実を反映させるよう改良を行った。シミュレーションは本研究の中心となるものであり、その予測精度は最も重要な要素である。 構造の性能評価を進める中で、検出器性能が検出器素材の反射率、屈折率等の光学的特性に非常に大きく依存することが判明した。候補としていた材料のこれらの特性の再評価を進め、シミュレーションについてもこれらの正確な特性値を反映させるとともに、より正確に反射等が扱われるよう改良を加え、精度を向上させた。 またXMASS実験が昨年度から測定が開始されたことにより、多くのデータが収集されるようになり、現在の検出器についてその性能と、使用されている素材や液体キセノンそのものについて、多くの情報が得られるようになった。得られたデータとシミュレーションと比較を行うことで、光電子増倍管等検出器素材の反射率、屈折率、液体キセノンの吸収長、散乱長、屈折率等多くのシミュレーション内部のパラメータについて、より現実を反映するよう調整を行った。 これらの改良、修正によって、本研究の中心となる検出器構造の性能評価をより正確に行うことができるようになった。
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