2010 Fiscal Year Annual Research Report
7族遷移金属触媒による不活性結合の切断を経由する新規化学変換法の開発
Project/Area Number |
21750103
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
國信 洋一郎 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 助教 (40372685)
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Keywords | レニウム / マンガン / C-H結合活性化 / C-C結合切断 / 挿入 / 付加 / 位置選択的 / 触媒反応 |
Research Abstract |
レニウムおよびアミド触媒を用いることにより、C-H結合活性化を経る新しい形式のアルデヒドの脱水を伴う環化三量化が進行することを見いだした。また、従来用いてきたレニウム触媒に替えレニウムヒドリドカルボニル触媒を用いることにより、これまでほとんど報告例のなかった、C-H結合へのアレンの挿入反応やC-H結合へのアルケンの挿入に引き続く分子内での水素移動反応に成功した。アレンの挿入反応では、アミノインダン誘導体が高ジアステレオ選択的に生成した。 イリジウム触媒によるアルコールの脱水素反応によるアルデヒドの合成反応とレニウムもしくはマンガン触媒によるC-H結合へのアルデヒドの挿入反応を組み合わせることにより、従来困難とされてきたC(sp2)-HおよびC(sp3)-H結合間でのクロスカップリング反応に形式的に成功した。 我々が既に報告しているレニウム触媒によるC-H結合活性化を経るイソベンゾフランの合成反応を利用することにより、有機材料として近年注目されているペンタセン誘導体の合成に展開することができた。 また、レニウム触媒存在下、1,3-ジエステルと末端アルキンを反応させることにより、フェノール誘導体を位置選択的に合成することにも成功した。 その他にも、炭素-水素もしくは炭素-炭素結合の切断を基盤とする反応の探索過程で、イリジウム触媒によるアルカンの脱水素反応とSchwartz反応剤によるヒドロジルコニウム化を連続的に行うことによるアルカンの末端選択的な化学変換、ロジウム触媒によるSi-HおよびC-H結合の連続的な切断を伴うシラフルオレン誘導体の合成、インジウム触媒によるC-C結合の切断を伴うケトエステルの合成、鉄触媒によるC-N結合の切断を伴うグリシン誘導体の合成に成功した。 また、レニウムカルボニル錯体を用いる触媒反応についての総説を、Chemical Reviews誌に執筆した。
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[Presentation] Indium-Catalyzed Retro-Claisen Rearrangement2010
Author(s)
Shun-ichi Yamamoto, Atsushi Kawata, Taihei Noborio, Takashi Matsuki, Kazumi Takata, Yoichiro Kuninobu, Kazuhiko
Organizer
The International Chemical Congress of Pacific Basin Societies (Pacifichem 2010)
Place of Presentation
Honolulu (USA)
Year and Date
20101215-20101220
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