2009 Fiscal Year Annual Research Report
光ピンセットと表面プラズモンを融合したナノ力学測定装置の開発
Project/Area Number |
21750218
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
堀中 順一 Kyoto University, 工学研究科, 助教 (00313734)
|
Keywords | 表面プラズモン / 光ピンセット / ナノ力学 / 高分子材料 / 表面走査 / マイクロレオロジー / 光学装置 / バネ定数 |
Research Abstract |
全期間を通して表面プラズモンの原理を利用した測定対象の変形量に関して高い分解能をもつ機構を開発し、以前に開発した高い力の分解能をもつ光ピンセット装置と一体化させる作業に取り組んだ。両者の融合によって、力と変形量の両方を、同時に、極めて高い精度で決定するナノ力学測定装置を完成させるためである。光ピンセットに関しては、研究代表者の以前の研究によって確立された、高分子の1本鎖の力学測定を行える装置が既に存在するので、表面プラズモン機構の構築に、時間の大半を費やした。高分子材料の力学特性は実用上最も重要な性質のひとつであり、力学特性の精密な測定は、材料に与えた変形量と、変形に要した力の関係をいかに高精度に決定することができるかに尽きる。そこで光ピンセットの特長を損なわずに、SPMと同等の0.1ナノメートルの空間分解能で微小球の動きを検出する機構として、表面プラズモンと呼ばれる光を使った測定手法を試みた。変形量に関して高い分解能をもつ機構として、表面プラズモンの代表的な利用法である全反射減衰法を採用した。全反射減衰法は、表面プラズモンがしみ出す薄膜表面近傍におけるわずかな屈折率の変化を、反射光強度の変化として高感度に検出する方法であり、表面プラズモンがしみ出す領域に光ピンセットの微小球を置き、金属薄膜表面と微小球との距離の変化を、反射光強度の変化として検出する光学系の構築に取り組んだ。ただし複数のミラーを最適な条件で同時に動かし、光軸を微調整することが可能な光学系の組み込みは、課題を克服しておらず次年度への課題となった。
|
Research Products
(1 results)