2009 Fiscal Year Annual Research Report
超離散化法による可積分セルオートマトンの解析と非可積分系への応用
Project/Area Number |
21760063
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
礒島 伸 Aoyama Gakuin University, 理工学部, 助教 (90422394)
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Keywords | 数理物理 / 可積分系 / セルオートマトン / 超離散化 |
Research Abstract |
不定符号変数の超離散化の基礎研究として、以下の研究に取り組んだ。 不定符号の変数を扱う超離散化の手法を提案し、その応用として差分方程式の可積分性と深く関連する「特異点閉じ込め(SC)テスト」に直接対応する超離散SCテストを構築した。代表的な可積分および非可積分差分方程式の超離散類似にこのテストを適用して有効性を検証し、論文に発表した。引き続き、テストに通るが非可積分と考えられる方程式、テストに通らないが線形化可能で構造がよくわかる方程式などの扱いが難しい差分方程式の超離散類似を構成してこのテストを適用し、テストの有効性および問題点に関する知見を得た。現在この結果を発表する論文を準備中である。 超離散系において振動現象を記述する解の構成に向けて超離散サイン=ゴルドン方程式を対象として研究し、2周期の振動を示す解を実際に構成し発表した。その後、3周期以上の解を構成しようとすると解の構造上の理由から1ソリトン解に帰着されてしまう、という結果と共に、別の方程式であればこれが可能となる見通しを得た。 超離散化の非可積分系への適用例として以下の結果を論文に発表した。 交通流モデルの1つである理想速度(OV)モデルの超離散類似を構成した。またソリトン方程式である変形KdV方程式とOVモデルとの関係に注目することで、超離散OVモデルの特解を得た。計算機シミュレーションも行い、超離散OVモデルが渋滞現象をよく捉えるものであることを確認した。
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Research Products
(4 results)