2011 Fiscal Year Annual Research Report
擬似LPE法によるInN系窒化物混晶半導体MBE結晶成長技術の開拓
Project/Area Number |
21760237
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Research Institution | Kogakuin University |
Principal Investigator |
山口 智広 工学院大学, 工学部, 准教授 (50454517)
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Keywords | 半導体 / 薄膜・量子構造 / 作製・評価技術 / 分子線エピタキシー / 窒化物半導体 / 混晶 |
Research Abstract |
本年度は、疑似LPE法として研究代表者等が提案しているDERI(Droplet Elimination by Radical-beam Irradiation)法について、その場観察技術を駆使したInGaN/InGaN量子井戸構造の作製に成功した。 DERI法を用いてInGaN成長をメタルリッチ条件下(F(In)+F(Ga)>F(N^*))で行った場合、Gaが優先的に膜中に取り込まれ、過剰なInが表面に析出される。その場観察を行いながら、その過剰なInをInNに変換形成するプロセスを繰り返すことにより、簡便かつ再現性よく、界面が急峻で膜厚制御されたInN/InGaN周期構造を自然形成できる。また、その場観察を行いながら、その過剰なInをGaN成長時に取り込ませるプロセスを繰り返すことにより全In組成域において単一組成厚膜InGaN成長が行える。その場観察技術を駆使しながらこれらの技術を組み合わせることにより、界面が急峻で膜厚制御された全In組成域におけるInGaN/InGaN周期構造を簡便かつ再現性よく作製する基本技術を確立することができた。また、ナノ領域におけるInGaNの井戸層の厚さを変えることにより、発光波長のシフトも確認され量子構造が形成されていることが示された。今後は更なる結晶高品質化を通したキャリア濃度の低減化およびその制御が求められる。 このように、疑似LPE法を用いたInGaN成長メカニズムの解明および発展応用させてきた。In系窒化物半導体光デバイス構造作製に必要となる基盤技術(下地に必要となるInGaN厚膜成長、InN/InGaN周期構造、InGaN/InGaN周期構造、p型InN)を着実に得ることができ、よりデバイス応用に近い形で研究を遂行することができた。
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