Research Abstract |
本年度は上腕二頭筋に関して「身体的特徴(年齢,性別,身長,体重,BMI,上腕二頭筋の皮下脂肪厚,体脂肪率,上腕腕周り長)」と「力とEMGの関係」を測定し,簡易数式モデルを構築した.その際,昨年度までは20歳代の被験者のみであったが,20~50歳代の被験者25名を対象とした.「力とEMGの関係」は"筋力係数"によって関連付け,筋力係数は身体的特徴によって関連付けるという昨年度の手法を導入した. 昨年度までの研究で「身体的特徴と筋力係数の関係」は非線形であることが判明しており,その関係式は複雑なものであることが知られていた.本年度は被験者の年代にもばらつきがあることから,その関係式はより複雑化するものと予想されたため,身体的特徴を基にして被験者を"X-means法"を用いて分類することとした.その際X-means法に用いる身体的特徴の各々は各々の平均値を差し引き,標準偏差で除算して正規化したものとした.その結果,25名の被験者は7つのクラスに分類された.それぞれのクラスの中で遺伝的プログラミングにより「身体的特徴と筋力係数の関係」を表わす数式モデルを構築したところ,昨年度に比べてはるかに簡便な数式構造が得られ,身体的特徴によって推定される筋力係数の誤差率は18%から2%に大幅に減少し,20~50歳代の幅広い年代に対して,昨年度以上に高精度な推定が可能となった. 以上は昨年度からの進展という観点でまとめ,国内学会での口頭発表を今後予定しており,また,学術論文としてまとめる予定である.次年度以降は,20~50歳代の被験者データを増し,実用上問題ないことを示すとともに,未知被験者に対してもこれまでに得られた「身体的特徴と筋力係数の関係」が適用できることを目指す.
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