2011 Fiscal Year Annual Research Report
リハビリテーションのためのEMGを用いた筋力回復推定モデルの構築
Project/Area Number |
21760304
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
櫛田 大輔 鳥取大学, 工学研究科, 助教 (30372676)
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Keywords | EMG / 身体的特徴 / クラスタリング / ファジールール / 負荷感度 / 筋骨格モデル |
Research Abstract |
本年度の目的は,1)これまでに獲得した「身体的特徴と筋力係数の関係」が未知被験者に対しても適用できること,2)下肢もしくは上腕のリハビリに関して回復過程を定量的に評価できること,3)筋骨格系モデルと筋力係数の組み合わせにより具体的にどの筋が回復しているのかを知ること,の3つであった. まず1)に関して述べる.これまでの研究成果により,25名の既知被験者の身体的特徴毎に7つのクラスに分類することができ,各クラスにおいて「身体的特徴と筋力係数の関係式」を構築していた.未知被験者の身体的特徴を用いて最も近いクラスに割当てて関係式を適用してみたところ,クラスの境界付近に位置する被験者においては正しい筋力係数が推定できないことが判明した.そこで,各クラスの代表点からの距離に応じて関係式を按分するファジールールを設けたところ,7.2%の誤差率で筋力係数を推定できるよう改善された. つぎに2)について述べる.筋力回復過程を定量的に評価するにあたり,筋に一定の負荷を与えた状態から負荷を変化させた際に,その変化を感知できる感度について調査した.その結果,筋が回復していくにつれて負荷変化の感度が高まる傾向があることが実験的に見出せた.現在,1)の結果に基づいて得た筋力係数と実筋力係数の比較だけでなく,負荷変化の感度の両面から筋力回復を定量的に評価する仕組みを継続的に調査している. 最後に3)について述べる.筋骨格モデルを導入することで筋収縮によって生じるトルクとEMGの関係が筋力係数を用いてモデル化できており,拮抗筋や二関節筋などのモデル化も可能となった.ただ,実際の筋には長さによる影響や,皮膚表面からは計測できない筋が存在しているため,それらの影響を如何に考慮しながら各筋の回復具合を評価するかが大きな課題として残されており,今後は筋群という単位で考慮することも視野に入れている.
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