2009 Fiscal Year Annual Research Report
自然再生における順応的管理を合理的に推進させるための生物生息適地評価モデルの開発
Project/Area Number |
21760413
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
野村 宗弘 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 助教 (70359537)
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Keywords | 海洋生態 / 水質汚濁 / 環境変動 |
Research Abstract |
海草コアマモ(Zostera japonica)は,沿岸海域において空間的構造を持つ一次生産者として生物多様性の維持に寄与している.一方,地球温暖化による海洋生物への影響が懸念される中,移動できない海藻(草)への影響が最も大きいとされる.しかし,主に潮間帯に生育するコアマモは,アマモ(Zostera marina)と比べても研究例が少なく,光合成・呼吸に与える水温および光量の影響などコアマモの生理的挙動に関する基礎的知見が不足している.そこで,コアマモの光合成に着目し,冠水状態および干出状態で水温および光量を変えて光合成・呼吸速度を測定した.そして,測定結果から水温および光量に対する光合成モデルを構築し,温暖化による水温および光量の変化がコアマモの光合成量に与える影響を評価した. 酸素の生産速度・消費速度が評価できるプロダクトメーターを用いて冠水状態および干出状態におけるコアマモの光合成・呼吸速度を測定することによって,コアマモの光合成モデルを開発することができた.さらに光合成モデルから算出した現在の光合成量および温暖化シナリオに基づく将来の光合成量を比較することで,地球温暖化による水温および光量の変化がコアマモに与える影響を評価した.その結果,温暖化による影響は,水温上昇よりも海面上昇が大きいことが示唆された.
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Research Products
(3 results)