2009 Fiscal Year Annual Research Report
超音波流速計を用いたメタンハイドレート湧出量計測手法の開発
Project/Area Number |
21760670
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
新井 励 Osaka Prefecture University, 工学研究科, 助教 (60508381)
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Keywords | メタンハイドレート / メタンプルーム / 海中音響 / ADCP / 海洋計測 / 水中モニタリング / 音響計測 / 音響伝播 |
Research Abstract |
本研究では,海底資源であるメタンハイドレートの位置探査およびその開発行為が生態系を含む周辺環境に及ぼす影響を把握するために,メタンプルームを,ADCPを用いることで簡易に計測する手法の開発を目的としている.平成21年度では、ADCPによるメタンハイドレートの音響特性把握実験を実施した。実験は大阪湾奥部の兵庫県尼崎港内で実施した.尼崎港は直立護岸に囲まれた閉鎖性海域であり,水深が10数mと浅い海域であるが隣接する下水処理場の処理排水が放流されており,海水中の音響伝搬に影響を及ぼす塩分や水温の鉛直分布が著しい海域である.本研究の計測対象としているメタンプルーム発生海域は,水深が深く表層と底層では水温や塩分の鉛直分布の変動が顕著なことから,尼崎港内はメタンプルーム発生海域の音場を相似的に再現し易い海域である.しかしながら、このような浅海域においてメタンプルームを発生させることは現実的ではないため,海底に気泡発生装置を設置することで,気泡により擬似的なメタンプルームを発生させ,その挙動を音響学的に計測した.実験内容は以下の通りで実施した. (1) ADCPおよびハイドロフォンによる音響強度鉛直分布計測(気泡発生時と未発生時の2Case) (2) 気泡発生量を変化させることで、それにともなうADCPの散乱強度から算出された値の妥当性の検討およびフィージビリティーを検証した. (3) 水中カメラによる気泡サイズ計測.また,気泡発生量は発生装置にフローメータをつけることでも計測した. 上記実験結果から、水中における気泡の噴出量をADCPで計測可能であることが示唆された.さらに検証と実験を踏まえることで,噴出量のみならずその三次元的挙動も計測できるようにする.
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