2010 Fiscal Year Annual Research Report
加速微粒子の固体表面との相互作用および侵入挙動の定量化
Project/Area Number |
21760697
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Research Institution | National Institute for Fusion Science |
Principal Investigator |
芦川 直子 核融合科学研究所, ヘルカル研究部, 助教 (00353441)
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Keywords | ダスト / 物質移動 / 実時間測定 / 再堆積 / 核融合 |
Research Abstract |
核融合プラズマ放電時のダスト捕集法としてSi基板などの試料を真空容器内に設置し,その試料表面に付着・堆積したダストを分析することが多いが,試料を真空から大気中へ取り出し時の圧力変化により,ダストが動き付着・堆積時の履歴が保持できないことが問題となっている.本実験では捕捉ターゲットとして日本製0.06lg/ccシリカ(SiO_2)・エアロゲルを使用し,ダスト捕集測定としての信頼性について分析・評価を進めた.ダストが高速でエアロゲルへ衝突した場合には,Si基板に対する付着とは異なりダストはエアロゲル中へ捕捉されるため,プラズマ真空容器から大気圧中へ取り出す際の圧力変化による影響が格段に軽減されると考える.つまり事後解析であるがエアロゲルへの捕捉時の情報が保持されるという大きな利点を持つ. エアロゲルを第一壁位置に設置し,グロー洗浄放電のべ20時間および水素プラズマ放電300秒への暴露実験を行った.また同時にSi基板も同環境下に設置し,各々のダスト捕獲量をデジタル・マイクロスコープで分析を行った.単位面積当たりの個数を比較すると,エアロゲルではSiに比べて2倍以上のダストが捕捉されていた.また一部の加速度を持ったダストはエアロゲル中へ捕獲されており,このような捕獲状態のダストは実験終了後の圧力変化時の影響も少ないと考えられる.よって,当初予測したエアロゲル利用の目的を実験的に明らかにした. これらの実験ではエアロゲル表面にクラックが生じ,グロー放電の結果で比較すると,プラズマに面する側と側面に該当する側では前者の方が影響が大きいことが分かった.試料基板を使用した実験では熱が試料ホルダに伝達することにより測定結果で得られるほどの影響を受けることが無いが,エアロゲルでは熱伝達が悪い為に表面に蓄積し,最表面(100nm以下)において影響を受けることが分かり,粒子飛来に起因する微量の熱変化を表面変質により解析可能なことが明らかとなった.
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