2009 Fiscal Year Annual Research Report
希ガス蛍光を利用したパルス中性子2次元位置検出器の開発
Project/Area Number |
21760716
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
齋藤 究 High Energy Accelerator Research Organization, 放射線科学センター, 助教 (40370077)
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Keywords | 放射線・X線・粒子線 / 放射線物理 / 原子・分子物理 |
Research Abstract |
中性子2次元位置検出器の検出器媒体として最終的には、^3He/Xe混合ガスを使用するが、まずは、^4He/Xe混合ガスを用い、混合希ガスのシンチレーション特性(発光スペクトル、発光時間プロファイル、絶対蛍光効率)・電離収量を全圧・混合比を変えながら測定した。全圧は1.OMPaと0.657MPa、キセノン分圧は10^2Paから10^6Paの範囲で測定を行った。以下に明らかにしたことを述べる。混合ガスの発光スペクトルを測定すると、174nm付近にピークを持っ発光であることが分かった。174nm付近のシンチレーションに着目すると、シンチレーションの立ち上がり時間は4nsec.以下であり、タイミング信号として優れている。また、測定したシンチレーション光の減衰は、ヘリウムの励起2原子分子の発光寿命(10usec.)より早く、1%のキセノンの分圧比でキセノン励起2原子分子の寿命(99nsec.)に近づく。これはヘリウムからキセノンへのエネルギー移行過程の時間がキセノン励起2原子分子の寿命より十分短い時間に起きたためであり、He/Xe混合.ガスを利用することにより、時間分解能に優れ、許容計数率が大きいといった優れた特性を持つ放射線検出器を開発できることが分かった。また、発光量の絶対蛍光効率(発光の絶対量)と電離収量を同時に測定することにより、ヘリウムに分配された放射線のエネルギーがほぼ100%キセノンに移行し、キセノンの励起2原子分子の光として発光していることが分かった。
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Research Products
(2 results)