2009 Fiscal Year Annual Research Report
鉄硫黄クラスター合成を担う多成分コア複合体の作動機構と分子ダイナミズムの構造基盤
Project/Area Number |
21770112
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
和田 啓 Osaka University, 大学院・理学研究科, 助教 (80379304)
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Keywords | 鉄硫黄クラスター / X線結晶構造解析 / ATP分解酵素 / SUFマシナリー / ISCマシナリー |
Research Abstract |
本研究の目的であるSUFマシナリーの多成分複合体によるFe-Sクラスター合成機構および機能調節機構の解明に向けて、平成21年度は以下の項目を実施した。 1. 多成分複合体(SufC-SufD複合体)のX線結晶構造解析と機能解析 大腸菌に由来するSufC-SufD複合体の結晶構造の決定に成功した。この構造に基づき複合体中のSufCに様々な変異を導入して、構造変化の有無をクロスリンク法により調べたところ、この複合体中のSufCはATP依存的にダイマーを形成することがわかった。このダイマー形成により、SufC-SufD複合体には大きな構造変化が起きることが強く示唆された。 2. 多成分複合体(SufB-SufC-SufD複合体)の機能解析 酸素を遮断した条件において、SufB-SufC-SufD複合体と鉄・硫黄原子を混合することで、SufB-SufC-SufD複合体上に形成される一過的な鉄硫黄クラスターを実験的に捉えた。 3. IscS-IscU複合体の同定 ISCマシナリーの中核成分であるIscSおよびIscUを大腸菌内で共発現させ、これらの二成分が複合体を形成することを明らかにし、相互作用様式について推定した。
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