2009 Fiscal Year Annual Research Report
分裂期微小管とダイナミンの結合を制御する新規メカニズムの解明
Project/Area Number |
21770143
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
濱生 こずえ Hiroshima University, 大学院・理学研究科, 助教 (10403578)
|
Keywords | 微小管 / ダイナミン / リン酸化 / 結合タンパク質 |
Research Abstract |
本研究は、ダイナミンと微小管の結合が細胞周期でどのように制御されているのかを明らかにすることを目的としている。そこで、(1)ダイナミンのリン酸化および結合蛋白質の同定、(2)リン酸化や結合蛋白質によるダイナミンと微小管の結合制御、(3)ダイナミンのリン酸化と結合蛋白質の相互関係、の検討を計画した。平成21年度は、(1)ダイナミンのリン酸化および結合蛋白質の同定を行った。 A. 間期、分裂期特異的なダイナミンのリン酸化の探索 GST-dynamin-741-870を大腸菌で発現させ、間期あるいは分裂期の細胞抽出液によりGST-dynamin-741-870のリン酸化を行った。その結果、分裂期抽出液によるダイナミンのリン酸化活性が間期抽出液よりも非常に高いことを明らかにした。質量分析から、分裂期抽出液によるダイナミンのリン酸化部位は、738-753の中に含まれることを明らかにした。さらに、分裂期抽出液によるダイナミンのリン酸化は、cdc2キナーゼやRhoキナーゼの阻害剤により抑制されることを明らかにした。 B. ダイナミン結合蛋白質の探索 間期のHeLa細胞抽出液とGST-dynamin-741-870を用いてpull downアッセイを行った。その結果、GST-dynamin-741-870に結合する特異的な3本のバンド(150, 75, 70kDa)を得た。質量分析により、150kDaはintersectin、75kDaと70kDaはsorting nexin 9 (SNX9)であると同定した。 ダイナミンがRhoキナーゼによりリン酸化されることは本研究で初めて明らかにした。また、ダイナミンとintersectinやSNX9の結合は既に知られているが、これらの結合がダイナミンと微小管の結合を阻害するかは調べられていない。従って、これらをさらに解析することにより新しい知見が得られると考える。
|