2010 Fiscal Year Annual Research Report
カミキリは樹木が発する振動を触診して産卵するのか:振動感覚の神経行動学的研究
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21780050
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Research Institution | Forestry and Forest Products Research Institute |
Principal Investigator |
高梨 琢磨 独立行政法人森林総合研究所, 森林昆虫研究領域, 主任研究員 (60399376)
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Keywords | 振動 / 感覚受容器 / 行動反応 / 弦音器官 / コウチュウ |
Research Abstract |
昆虫は一般に振動に対して敏感であるが、振動に対する反応性及び感覚受容器の知見はコウチュウ目において極めて少ない。今年度はマツノマダラカミキリ成虫(以下、本種)を用いて振動反応性の解明と寄主木であるクロマツ(以下、マツ)の振動解析を進めた。樹木を伝わる振動によって、本種は捕食者回避や配偶者認識を行う。また、産卵に好適な衰弱したマツは振動を自発的に発することから、この自発的振動に基づいて本種は寄主木を認識する可能性がある。振動による産卵選択性を調べるために、加振機を用いて切断したマツ幹に一定周波数の振動を与えたところ、振動の振幅に依存して産卵は抑制された。次に、記録したマツの自発的振動をマツ切断幹に与えて、本種の産卵行動を連続的に観察した(プレイバック試験)。振動を与えない条件と比較した結果、産卵孔形成や産卵管挿入等の行動について頻度や時間に増減が見られた。 マツ材線虫病により衰弱したマツにおいて、仮道管の気泡形成に起因する微小な高周波(20kHz以上)の振動発生は知られているが、本種が感受性を示す低周波の振動に関する報告は無い。今年度、マツで振動測定を行ったところ、低周波(50-200Hz)の自発的振動が衰弱期後半に発生することを確認できた。 本種はマツの自発的振動の周波数帯域と振幅を含む振動刺激に反応を呈したことから、衰弱したマツの自発的振動を感知して産卵選択を行う可能性が示された。
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Research Products
(7 results)
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[Journal Article] Variation in courtship ultrasounds of three Ostrinia moths with different sex pheromones2010
Author(s)
Takanashi, T., Nakano, R., Surlykke, A., Tatsuta, H., Tabata, J., Ishikawa, Y., Skals, N.
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Journal Title
Peer Reviewed
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[Journal Article] To females of a noctuid moth, male courtship songs are nothing more than bat echolocation calls2010
Author(s)
Nakano, R., Takanashi, T., Skals, N., Surlykke, A., Ishikawa, Y.
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Journal Title
Biology Letters
Volume: 6
Pages: 582-584
Peer Reviewed
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