2009 Fiscal Year Annual Research Report
異種生物由来の遺伝子を発現するためのコドン同調化大腸菌の開発
Project/Area Number |
21780105
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Research Institution | Osaka Municipal Technical Research Institute |
Principal Investigator |
駒 大輔 Osaka Municipal Technical Research Institute, 研究員 (80443547)
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Keywords | 微生物 / バイオテクノロジー / ゲノム / コドン / 大腸菌 |
Research Abstract |
本研究は、宿主株の改良によりコドンの同調化を行い、異種生物由来の遺伝子(特に高GC微生物由来のもの)を簡便かつ網羅的に活性型タンパク質として発現可能な大腸菌発現システム(コドン同調化大腸菌)を開発することである。そのためには宿主となる大腸菌のtRNA遺伝子の発現量を時期特異的に調節することが重要であり、大腸菌の染色体DNAの改変を行う必要がある。具体的には、染色体上に点在する大腸菌のtRNA遺伝子の欠失と、大腸菌のレアコドンに対応するtRNA遺伝子の複数個導入が必要である。 そこで本年度は、高GC微生物であまり用いられない不必要なtRNA遺伝子の欠失(個数の減少)と、よく用いられる必要なtRNA遺伝子の導入(個数の増加)を行った。遺伝子の欠失方法に関しては既存の方法があり、それを用いることで解決した。一方、遺伝子の導入方法に関しては、本研究課題に適した手法(ステップワイズで複数個の遺伝子を導入していく手法)がなかった。そこで、はじめに大腸菌の染色体上にStepwiseで遺伝子を導入可能な手法の開発を試みた。その結果、Red-recombinaseとflippaseを用いた遺伝子欠失法を改良し、任意の場所に任意の遺伝子をステップワイズで複数個導入可能な手法を開発した。さらに、当該手法を用いて、数種類のtRNA遺伝子を大腸菌ゲノム上に導入した。 本年度の結論として、tRNA遺伝子の個数を変更した大腸菌を作製し、実際に高GC生物の遺伝子を発現させるための準備が整った。なお、これらのtRNA遺伝子の発現は、IPTGの添加によって、切り替わるようになっており、時期特異的にtRNA遺伝子の発現量を変更可能である。
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