2010 Fiscal Year Annual Research Report
異種生物由来の遺伝子を発現するためのコドン同調化大腸菌の開発
Project/Area Number |
21780105
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Research Institution | 地方独立行政法人大阪市立工業研究所 |
Principal Investigator |
駒 大輔 地方独立行政法人大阪市立工業研究所, 研究員 (80443547)
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Keywords | 微生物 / バイオテクノロジー / ゲノム / コドン / 大腸菌 / 染色体挿入 / ゲノム工学 / 遺伝子工学 |
Research Abstract |
3種類の手法(Red相同組換え、FLP/FRT部位特異的組換え、およびPl形質導入)の最適な組み合わせにより、大腸菌の染色体DNAの任意の位置に自由自在に多数の遺伝子を導入する技術を開発した。これまでは、染色体DNA上に複数個の遺伝子を挿入することは困難であり、挿入可能な遺伝子数はかなり限定されていた。複数の遺伝子を導入する場合には、ファージなどを用いて、複数の遺伝子から構成される人工オペロンを導入する手法が用いられていた。しかしながら、そのような手法では、挿入する遺伝子を後から付け足したりするような作業は困難であった。本研究で開発した手法では、段階的に遺伝子を挿入するために、菌株の作製を自由自在にアレンジでき、ひとつの株から複数の株を派生させたり、菌株の改良を検討しながら進める場合に優れている。また、遺伝子発現に関するプロモーターのバリアンも作製することで、染色体DNA上に挿入した遺伝子の発現量を制御することも可能となった。挿入する遺伝子のコピー数、プロモーターの種類、位置の3つの条件から構成される遺伝子発現量の制御を可能としたことで、大腸菌のtRNAの発現量を自由に調整することが可能となった。したがって、本研究で作製した手法を用いることで、大腸菌のコドン使用頻度を自由に改良し、コドン同調化大腸菌を作製することが可能である。また、本手法は従来の遺伝子欠失法により作製された株、たとえば、網羅的大腸菌1遺伝子欠失株ライブラリー(KEIOコレクション)をそのまま同一系内で利用することが可能なため、遺伝子挿入と欠失を組み合わせたコドン使用制御を行うことも可能である。
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Research Products
(1 results)