2010 Fiscal Year Annual Research Report
小規模低落差水力エネルギー回収装置と空気吸込渦除去装置の基礎研究
Project/Area Number |
21780232
|
Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
日吉 健二 宮崎大学, 農学部, 助教 (20325731)
|
Keywords | 自然エネルギー / 低コスト / 小水力エネルギー / 水車 / 空気吸込渦 |
Research Abstract |
大学内の実験施設に,小規模低落差小水力エネルギー回収装置を作製し設置した。本装置は,透明アクリル板及び透明アクリルパイプを用いており,水車内の流れを観測が可能な構造である。 回収したエネルギーは発電機で電気エネルギーに変換する。水車軸に設置したトルクメータで水車効率を計測した。有効落差を1.5mとし,ランナの違いによる流量と水車効率を明らかにした。 水車の直径と同径の空気吸込渦除去用コーンは,コーン高さ5cmから30cmにおいて,空気吸込渦の除去と出力の増加が確認された。流量が少ない場合においても,コーンによって空気吸込渦の混入を防ぎ,水車効率が低下しないことが確認できた。コーンの設置位置(高さ)は,ある特定の位置で水車効率のピークが出現することが確認され,コーンが水車マス部の底面から10~15cmのとき,空気吸込渦がほぼ消滅し水車効率が高くなることが明らかになった。 次に,ランナ直径と同径の円盤のみを用いた。空気吸込渦は消滅したが,円盤高さ10~30cm水車効率が向上せず,10cm以下では水車効率が低下した。 3番目に,コーンの上面に円盤を取付けた円盤付コーンを用いた。この場合,流れ込みが悪化し水車効率が低下した。 以降のように,空気吸込渦除去装置として,コーン型,円盤型,円盤付コーン型の3種を用いて実験した結果,水車のマス内水深30cm以上にし,コーン高さを10cmに設置するのが良いことが分かった。
|