2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21790010
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
尾谷 優子 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助教 (60451853)
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Keywords | 二環性β-プロリン誘導体 / オリゴマー / チオアミド / 規則構造 / 分子軌道計算 / ヘリックス / 溶媒効果 / シス-トランス異性化 |
Research Abstract |
環状アミノ酸であるプロリンのアミド結合は三級アミドであり、通常の二級アミドと異なりシス体とトランス体が混在する。プロリンアミドのシス-トランス異性化はタンパク質の活性発現やフォールディングの制御に働く重要な過程である。チオアミド結合にもシス-トランス異性化が存在するが、その異性化障壁の高さからアミドよりも構造制御や異性体観測が容易であると考えられる。本研究では、コンホメーションを固定した二環性β-プロリンのアミドおよびチオアミドのシス-トランス平衡の制御に関する基礎的知見を得ることを目的とした。 これまでに本二環性β-プロリンをチオアミドで連結したホモオリゴマーは、鎖長依存的にトランス体チオアミドを有する伸びたストランド型構造が優勢になること、および溶媒によって異なる構造を取ることが示唆されていたが,シス・トランスコンホマーが混在するため確証が得られなかった。本研究では構造の証拠を得るべく、二環性β-プロリンの橋頭位の片側に置換基を導入し,立体反発によりトランス体が安定化される新規β-アミノ酸の合成を行った。現在までに、合計16ステップの反応によるラセミ体の目的アミノ酸の合成に成功した。このチオベンゾイルアミド誘導体の構造を解析した結果,望みのトランス体コンホマーが90%の存在比となり、橋頭位に置換基を持たない同類体に比べるとトランス体の存在比は大きく向上した。さらに、モデル化合物の研究から、本二環性チオアミドのシス-トランス異性体存在比は橋頭位置換基の種類によって劇的に変化することが判明しつつあり、この結果は同一位置の置換基によるシス体・トランス体の制御(つくり分け)に応用可能であると考えられる。
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[Presentation] Organic N-Nitrosoamines which release NO or its equivalents upon Visible Light Irradiation : Design, Synthesis and Application to Cells2010
Author(s)
Fumika Karaki, Yoji Kabasawa, Takahiro Yanagimoto, Nobuhiro Umeda, Yasuteru Urano, Tetsuo Nagano, Yuko Otani, Tomohiko Ohwada
Organizer
The 6th International Conference on the Biology, Chemistry, and Therapeutic Applications of Nitric Oxide
Place of Presentation
国立京都国際会館(京都府)
Year and Date
2010-06-15
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