2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21790235
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Research Institution | 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター |
Principal Investigator |
栗山 健一 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所・成人精神保健研究部, 室長 (00415580)
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Keywords | 睡眠・覚醒 / 記憶 / 学習 / 神経機能画像 / 神経生理 |
Research Abstract |
fMRI・EEG同時計測装置を改良し、本研究で計画していたデータをほぼすべて取り終えた。健康被験者における昼間睡眠(Nap)が作働記憶強化に与える行動特性および背景脳活動への影響を検討中である 現在までの解析結果から、NapによってもWMCは増強されることを行動指標から確認した。しかし、その増強度は、先行研究と比較すると低かった。Nap中のポリグラフデータから睡眠構造に関して差を検討したところ、単純作業(RT)群と脳課題群とで有意な睡眠段階構造差は認められなかった。さらに、f-MRIを用いたNap中の脳機能画像解析の結果から、先行研究で示されている、特定の睡眠段階に関連した脳活動差は検出されなかった。一方で、全睡眠における前頭皮質領野活動にRT群と暇群間に有意傾向が確認されている。これは、睡眠中のWMC増強過程に関連する活動差である可能性が高い。 本成果は、睡眠中の記憶増強を機能画像を用いて検討した初めてのものであり、今後さらに解析方法に工夫を加え詳細な性質を検討していく予定である。本成果は睡眠中の脳活動に外的修飾を行うことにより、ヒトのさらなる能力開発に応用できる可能性を秘めている。さらに、様々な精神疾患の発症予防法、治療法の開発に応用できる可能性をも示唆し、健常者のさらなる知能発達および精神疾患発症脆弱性を持った個人の健康増進に重要な知見を提供する。今後本成果は国際科学誌への投稿および、マスコミや当施設のホームページ上で成果を報告し、専門家および国民に広く情報公開していく予定である。
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Research Products
(17 results)