2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21790272
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
伊藤 慎二 京都大学, 医学研究科, 助教 (50362512)
|
Keywords | 肝臓 / Periplakin / 胆汁鬱滞 / FXR / 炎症 |
Research Abstract |
Plakinファミリー分子Periplakinは、細胞接着複合体と細胞内骨格とを結びつけるリンカー分子として機能すると考えられるが、皮膚以外の組織における実際の機能や役割については、ほとんど解明されていなかった。本研究は肝臓におけるPeriplakinの発現が、胆汁酸をリガンドとする核内受容体FXR (Farnesoid X receptor)や食餌中の胆汁酸によって極めて強力に制御されるという発見を起点とし、同分子が胆汁酸あるいは胆汁酸受容体FXRに関連する、肝機能の調節分子のとして働いている可能性が高いとの作業仮説に基づいて立案された。平成22年度には、同分子が肝細胞に於いて、胆汁鬱滞性肝炎特異的な、著しい発現昂進や、特徴的な細胞内蓄積を示すことを明らかにした。平成23年度においては、様々なPeriplakin遺伝子改変マウスラインを確立し、それらを用いてPeriplakinの機能を生体内で直接検討することを目指した。しかしながら、Loss-of-function解析に供するための、Periplakinノックアウトマウスの作製およびC57BL/6Jへの遺伝的背景の純化については完了したものの、Gain-of-function解析に供する肝臓特異的Periplakinトランスジェニックマウスについては、肝細胞特異的プロモーターとして、Albumin遺伝子、およびSAP (Serum amyloid P component)遺伝子プロモーターの2種の利用を試みたにも関わらず、肝細胞でPeriplakinを高発現するラインを取得することが出来なかった。現在、様々なトリガーによってPeriplakinノックアウトマウスに胆汁鬱滞を惹起させ、野生型マウスとの反応性の違いを詳細に検討することによって、胆汁鬱滞あるいは胆汁鬱滞性肝炎の病態形成におけるPeriplakinの役割解明を進めている。
|