2009 Fiscal Year Annual Research Report
ユビキチンリガーゼによるI型インターフェロン誘導制御の分子機構解析
Project/Area Number |
21790477
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Research Institution | Chiba Institute of Technology |
Principal Investigator |
舟見 健児 Chiba Institute of Technology, 付属総合研究所, 特別研究員 (00421983)
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Keywords | I型インターフェロン / ユビキチンリガーゼ |
Research Abstract |
本研究は、I型インターフェロンシグナルを制御するユビキチンリガーゼの機能解析を目的とした。当初の計画ではTRIM25によるTBK/IKKeの活性制御に注目していたが、TRIM25によるインターフェロンシグナルの制御については現時点で他の研究室で得られた結果を覆す、または上回る様な知見は得られていない。しかし、解析の過程でRNF125によるアダプター分子のユビキチン化、およびI型インターフェロンシグナルの制御に関する興味深い知見を得た。RNF125はI型インターフェロンの誘導に重要なRIG-I、MDA5、IPS-1といったアダプター分子をユビキチン化するユビキチンリガーゼである。RNF125によるユビキチン化に伴いアダプター分子はプロテアソーム依存性に分解され、I型インターフェロンシグナルは抑制される。本研究における解析の過程で、RNF125のカルボキシル末端領域が、別のユビキチンリガーゼを活性化してRIG-Iを始めとするアダプター分子をユビキチン化すること、さらにRNF125のカルボキシル末端領域はRNF125全長とは反対にI型インターフェロンシグナルを活性化することを明らかにした。この結果は、ユビキチンリガーゼによるインターフェロンシグナルの制御について新たな分子機構の存在を示唆したもので、インターフェロンシグナルを利用した抗ウイルス剤の開発にも有用な情報を提供できるものであると考えられる。今後、RNF125によって活性が誘導されるユビキチンリガーゼを同定することで、本年度に得られた知見を更に発展させる予定である。
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