2010 Fiscal Year Annual Research Report
ディーゼル排気微粒子の経気道投与による生殖毒性発現の分子機構と食品成分による改善
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21790554
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Research Institution | Aomori University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
井澤 弘美 青森県立保健大学, 健康科学部, 講師 (20315534)
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Keywords | ディーゼル排気微粒子 / 精子 / 気管内投与 / ケルセチン / 一日精子産生量 / 精巣 / テストステロン |
Research Abstract |
5週齢C57BL雄性マウスを6群に分け、それぞれディーゼル排気微粒子(DEP)群、DEP+ケルセチン(以下、Qと記す)0.01%群、DEP+Q0.1%群、DEP+Q1%群、vehicle群およびvehicle+Q1%群とした。DEP+Q0,01%群およびDEP+Q0.1%群には0.01%および0.1%ケルセチン含有飼料をそれぞれ与えて飼育した。DEP+Q1%群およびvehicle+Q1%群には1%ケルセチン含有飼料を与えて飼育した。vehicle群には標準飼料を与えて飼育した。前年度の実験で様々な濃度のDEP懸濁液を投与したところ、0.5mg/mlに調製したDEP懸濁液を投与した群の精巣上体中の精子数が、vehicle群と比較して有意に低値を示したことから、本実験ではDEP群、DEP+Q0.01%群、DEP+Q0.1%群およびDEP+Q1%群には、吸入麻酔下で0.5mg/mlの濃度に調製したDEP懸濁液0.05mlを2回/週ずつ6週にわたって気管内投与した。飼育期間中は飼料摂取量と体重を測定した。最終投与1週間後に深麻酔下で心臓全採血し、精巣、精巣上体および肝臓を摘出した。 各群の飼料摂取量、解剖時体重、摘出した臓器重量および一日精子生産量は有意差が認められなかった。DEP群とDEP+Q1%群の血中テストステロン濃度は、vehicle群のそれと比較してそれぞれ有意に低値を示した。DEP+Q0.01%群およびDEP+Q0.1%群の血中テストステロン濃度は、有意な変化が見られなかったことから、DEPは血中テストステロン濃度に影響を及ぼすが、低濃度のケルセチンがその毒性を軽減させていることが示された。加えて、高濃度のケルセチンではDEPの毒性を軽減できないことが示された。
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Research Products
(1 results)