2010 Fiscal Year Annual Research Report
開発途上国における保健情報システムのデータの質管理モデル構築に関する研究
Project/Area Number |
21790569
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
村井 真介 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (00506644)
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Keywords | 保健情報システム / データの質 / ヒューマン・エラー / 保健システム |
Research Abstract |
フィリピン共和国では2009年1月より2008年改訂版地域保健情報システム(Field Health Services Information System 2008 version;FHSIS 2008)の全国運用が始まった。本年度は、FHSIS 2008が生成するデータの質(正確さ、完備度、適時性)の挙動を可視化し、(1)現行のFHSIS 2008に期待できる性能を明らかにするとともに(2)データの質の異常な挙動を検知する仕組みの開発を目的とした。 前年度に実施したFHSIS 2008の構造把握をもとに、パラワン州保健局と同州北部のエル・ニド市とサン・ビセンテ市にてFHSIS 2008の運用実態、とりわけ標準手順への遵守状況を調査した。末端の保健ポストにおけるFHSIS 2008の「入力」には、標準患者台帳の他にも標準外の患者台帳が用いられていることが確認されたため、標準外の患者台帳も含めて、FHSIS 2008の各データ処理プロセスの「入出力」データを2009年1月から2010年12月の期間にわたって収集し、データの正確さと完備度にかかる基礎データを得た。また並行してパラワン州23市から州保健局へ提出される四半期報告書の提出日の記録を収集し、データの適時性にかかる基礎データを得た。現在、これら基礎データの入力作業と解析を進めている。ここから(1)現行のFHSIS 2008に期待できる性能が明らかになるとともに(2)データの質の異常な挙動を検知するための限界水準値を特定できると考えている。これらに基づいてデータの質をモニタリングすることによって、FHSIS 2008の現状の理解と改善課題の抽出が可能となり、保健情報システムの設計者とデータ処理を担う現場の双方において、データの質の継続的管理と改善の動機をもたらす仕組みの構築が可能になると期待される。
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Research Products
(1 results)